Jima’sイベントレポート
〜上田晃司先生ワークショップイベント編〜

Jima's イベントレポート

みなさん、こんにちは(^^)
YouTube(【カメラ塾】JimaTube)にてカメラや撮影技術を中心に発信する私、Jimaと申します。

はじめに

今回、23年6月24日・25日に写真家 上田晃司 先生を講師に迎え神戸(兵庫県)の meriken gallery & cafe にてワークショップ「Nikon Z 8パーフェクトレクチャー」と「NIKKOR Zレンズパーフェクトレクチャー」が開催されました。

教室での充実した座学に加え、実際に屋外で参加者全員がZ 8を持ち出しての撮影体験、A3プリントに印刷しての講評など盛りだくさんの内容です。

いわゆる広報的なレポートではなく、ひとりの参加者として「私(Jima)フィルター」を通した所感や裏話など少し異なる側面からイベントレポートをお届けします。

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上田先生が担当される内容はシンプルにお伝えすると「ニコン Z 8 の使い方を学ぶ」ものと「ニコン Zレンズを学ぶ」さらにはZ 8や気になるレンズを2週間借りることが可能な体験会の側面も含めております。

同日開催されたイベント情報

先に情報が盛りだくさんなので、イベント内容が混在しないように整理しますと 会場となる兵庫県神戸市にあるイベント会場 meriken gallery & cafeでは「Nikon クリエイターズ in meriken gallery & cafe 2023_Early」と題したイベントが開催されました。 Jima's イベントレポート

23年6月24日・25日(2日間)のイベントでは

が同時開催されました。

各企画ごとにイベントレポートを用意して3部作でお伝えしますが
今回のイベントレポートでは、上田先生の2日間に密着した情報にフォーカスします。

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登山YouTuber かほさんのサイン会の様子

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お隣の部屋ではVlogカメラとして大人気のニコン Z 30をテーマにしたコムロ先生のワークショップも開催。

さらに同会場で隣接するカフェスペースではNikonのカメラとレンズをこよなく愛する「Nikon CREATORS」20名の作品が並ぶ「Nikon CREATORS」my favorite photo -GENIC+meriken cafe with Nikon- と登山YouTuber かほさんの写真展も開催となりました。

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写真展ではカメラで写真を撮る際は被写体をハッキリさせがちですが「空間を撮る」という表現に近しい空気感がありました。

お洒落かつ撮影者の意図することが前面に出た「写真」よりも「アート」の側面が強い力作達だと感じました。

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今買うべき!写真家 上田晃司のNikon Z 8パーフェクトレクチャー

それでは初日(24日)に開催されたニコン Z 8の徹底ガイドとなるセミナーの話です。

カメラメーカーとして有名なニコン、その中でもミラーレス一眼カメラとしてフラッグシップ機Z 9のDNAを受け継ぎ数多くの機能が「同等」性能をとなるフルサイズセンサー搭載のZ 8が主人公です。

実は私も発売直後に購入をしたZ 8ユーザーのひとりです。

4571万画素に20コマ/秒と高画素かつ高速連続撮影を実現と数年前ではフラッグシップ機だとしても考えられない高性能が今や縦横一体型ではない筐体に収まる時代となっています。

ただ機能が盛りだくさんな反面、使いこなすことやすべての機能を網羅的に把握することは事前知識や学習量、利用頻度などによってバラつきが出てきます。

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本当は便利な機能が搭載されているにもかかわらず今までの中級機のカメラと同じ扱い方では「もったいない」場面もあります。

こういった場でZ 8という、ひとつのカメラに限定して魅力を学べる場は大切です。

もちろん、マニュアルを読みWeb媒体やYouTube等で学ぶ方法もあります。

ただ数時間で基礎から応用知識までを一貫して学べる機会は、マニュアルがWebからダウンロードすることが推奨される「簡略化された」今の時代には貴重です。

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講義の終盤では上田先生が実際に利用するカスタムボタンの設定や細かな改良点の解説もありました。

これは様々な現場(環境)で撮影してきた上田先生ご本人だからこそ見える世界です。

経験に基づいた知識を得ることは本当に貴重で、言語化して理解することや知識として得ることは素晴らしいことです。

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ちなみに

先日、都内某所ではZ 8の発売記念となるニコンファンミーティングという大型イベントも開催されており、数多くのカメラを展開するニコンの中でもフラッグシップに次ぐ、そしてレフ気時代から伝統ある「8」の数字を背負うカメラとしてZ 8は名機となるべくして誕生しました。 Jima's イベントレポート Jima's イベントレポート

少し話が脱線しますが、Nikon Fan Meeting ではニコンの歴史や製品に関する知識を競うクイズグランプリが開催され日本全国からオンラインにて予選が行われました。

私は当日、決勝戦の補欠メンバーとして現地に出向いており上田先生・コムロ先生に記念撮影をお願いしておりました。

超多忙のお二方ですが「せっかくなら撮影ブースで撮りましょう」と爽やかにご対応いただけたこと本当に嬉しかったです。

そして、このイベントレポートが少しでもお二方の魅力を伝えることにつながり、ご恩返しが出来ればと考え真剣に執筆しております(笑)

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上田先生は写真家、そしてビデオグラファーとしても大人気です。

ニコンイメージングジャパンの公式サイトでも数多くの動画作品や写真家の方々へのインタビューなど大活躍されております。

実は今回の主人公となるZ 8はZ 9の性能の数多くを詰め込んだバッテリーを大型のEN-EL18系統からEN-EL15系統へ変更など小型化を実現した機種です。

加えて未来を見据えたHEIFの採用や美肌効果や飛行機認識などはZ 9より先に搭載した素晴らしいカメラです。

ただ、カメラに限った話ではなく家電などでも同様ですが、高級品となると追加機能が増えすぎて「できることが多すぎて使いこなせない」という状況になりがちです。

そうなると使いこなすためには機材についてシッカリと学べる環境と時間が必要です。

悩ましいのは家電量販店などでカメラを買う際は「売り上げを作ること」「話題性があり売れる商品を売る」というビジネス要素が強いことです。

こうなると「売り上げ重視」の販売スタッフも少なからず現れるため細かい機種の話は担当の販売員の知識に依存しがちです。
(細かい説明するよりも買ってもらいたい欲が出ている店員さんも見受けられます。)

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では、機材に対する知識をメーカー側の配信内容から学ぼうとすると・・・
メーカー側が開催する学習会や動画教材は「授業感」が強くて面白みがないです。

結果、情報が右から左に流れて頭の中に定着しにくい事も多いです。

その点、Nikon Fan Meetingで早朝のオープニングトークから後夜祭まで常に出番となっていた上田先生(コムロ先生)は実体験の話など様々な角度から説明をしてくださいます。

私たち、話を聞く側が「自分事として聞ける」内容であることが理解度に大きく影響します。
つまり、難しいことをかみ砕いて教えてくれる「話がわかりやすい、教え方が上手な先生」タイプですね。

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私を含めYouTube等でカメラや撮影技術に関する情報を発信する方は今の時代、珍しくないです。

こうなると「信頼できる情報、内容か」を判断する必要が私たち視聴者側に求められます。

撮影技術は免許や資格が必須ではないため、独学や活動する環境が限定的など「参考にすると知識が偏る」教え方をする人も多いことは事実です。

ただ、上田先生(コムロ先生)はニコンカレッジでも講師を努められており、言葉(単語選び)も的確でメーカー(ニコン)側からの信頼も厚く網羅的で必要な知識を確実に説明していただけます。

言い方が「アレ」かもですが時間もお金も微妙な教材に出すくらいなら、初めから上田家(上田先生・コムロ先生)の授業を聞いた方が100万倍、理にかなっており効率的で賢い学び方です。

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少し意地悪な表現ですが言葉選び(単語の統一)の一例をあげると・・・
「Fを小さい値に設定します。」
「マイクロレンズを用いたマクロ撮影では」などが該当します。

この表現を読み「なるほど!」という方と「何が違うの?」と悩まれる方がいると思います。
ここを掘り下げると細かい話になり、それだけで凄いボリュームになるので今回は割愛いたします(笑)

何より上田先生は技術的に難しい内容でも「こういう時は」など体験談を含めてくれることが嬉しいポイント。

面白話や数分おきに作例の中に猫ちゃんが出てくるなど、天然なのか狙っているのか笑いのポイントも多くて楽しかったです。

ちなみにイタリアで撮影された猫はシュっと足が長くて、沖縄の猫は暑さでバテたポーズをしていました(笑)

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セミナーの趣旨としては「Z 8を使いこなせるようになる」です。

ですが参加者の中には既に購入済みの方やこれから購入を検討されている方、フラッグシップを持っている方やZ8の登場でD850やD500から遂にミラーレスへの移行を決意した方など様々でした。

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やはり高性能かつ高精細、そして高速連続撮影に優れた高画素機として予算面を含めて野鳥や飛行機、スポーツを撮影する方から支持されているカメラだと再認識しました。

そして、S-Lineではないですが現実的な超望遠ズームとしてNIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR の発表も近しいこともあって「今、Z 8は一番熱い」かつ注目されている状況でした。

私自身、超望遠ユーザーなので撮像範囲をDXに指定しても十分な有効画素数を維持しつつ20コマ/秒で撮影可能なZ 8は携帯性を含めて素晴らしいカメラだと購入して満足しております。

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数多くのメディアでニコンZ 8はフラッグシップ機となるZ 9同等として評価されております。
そのためメニュー項目も他のZシリーズ(Z 5やZ 6/Z 7系統)と順番や項目の数などが異なります。

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メニュー画面を開いた際に始めは戸惑う方もいらっしゃいましたがスタッフの方や上田先生が細かく伝え、随時フォローすることで順調に進みました。

また、縦横4軸チルトや物理フォーマットで得られる恩恵もあります。
センサーシールドの重要性に加え、高効率RAWが活躍する場面やファンクションボタンの割り当てのコツなど様々な側面から解説にも熱が入っていました。

Z 8の魅力を語っておられる姿に私自身「そうです!最高ですよね」と内心ウキウキでした。

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もちろんカメラには撮影マナーが必要です。
ですが免許や資格、実績は不要なのでZ 8を最初のカメラとして購入しても良いと思います。

極端な話、機能を制限された機種より限りなくフラッグシップ機に近い上位機であるZ 8から使うことをオススメします。

理由は撮る側の技量に頼らずとも、カメラの性能(AF性能などを含め)に手伝ってもらうことで理想の1枚にたどり着く最短ルートとなります。

ただ、Z 8を使いこなすには技術と知識、経験が必要なので上田先生からサクっと重要なポイントを教わろうという話ですね。

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講義の様子を見ていると参加者様の多くは既にレフ機や他のZシリーズなどでカメラに触れたことのある方が多く見受けられました。

比較的スムーズに設定の話(座学)が進むような印象で昼頃の撮影体験にシッカリと時間を確保できた様子でした。

ちなみに過去のフラッグシップ機は上位機だとしても機能差が明確で別格の存在でした。
つまり「フラッグシップ機は凄い」というハードルが高く、憧れの存在でした。

私が商業撮影時代、今と同じくフラッグシップ機は高価なものでした。

大先輩しか触れることを許されなかった空気と厳重に鍵付きロッカーで管理されていたことを今でも鮮明に覚えています。

そういったフラッグシップ機同等の性能がZ 8に採用されていることは本当に素晴らしいことです。

ただ、メニュー項目も類似するとなると考えすぎかもですが・・・

フラッグシップ機の後継が出た際の私たちの購入ハードルを下げておく狙いがあるのではと考えている自分がいます。

Z 8が未来のフラッグシップ機の購入者層の「教育用カメラなのでは?」と勝手に想像が膨らんでしまいました(笑)

勝手な憶測で恐縮ですが、もし私の考え通りであればニコンがIR資料等で高単価戦略を打ち出していることに納得です。

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Z 8の特徴の話に戻ると左上の四つ葉ボタン(通称)やフォーカスモード切り替えなど物理的に設定項目をコロコロと変更が可能です。

これは上位機だけに採用される人気デザインとなります。

Z 9のサブ機として扱われることも多いZ 8だからこそ、撮影の効率化などに追及した使用方法や扱い方のコツなども詳しく語られました。

撮影実習

そうです。
皆さん、お気づきですね?

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こうなってくると、わかりやすく参加者の多くが「もう授業はいいから、早く撮りたい」とソワソワし始めます。

静かにテーブル上の文具や飲み物を撮影し始めたので、満を持して撮影体験という名の実習へ移ります。

会場のmeriken gallery & cafeは神戸(兵庫県)のメリケンパークに近く数分歩いた位置に改装中ですがポートタワーがあります。

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地元民ならわかる話ですが、数年前の台風で普段歩く場所までも水没して赤色の豪華な屋形船が破損したことをニュースで知り衝撃を受けた船の離発着所「あの場所」です。

前日は曇り予想でしたが思ったより快晴で気分よく上田先生のフォトウォークが開始され
良いタイミングで止まってくれた鳩を20台近いZ 8で撮る展開からスタートです。

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「なんで鳩!?」と思われるかもですが、意外と動体撮影を身近に撮影する際に鳩や雀、カラスにムクドリ、ヒヨドリなどは撮ることが多い被写体です。

この鳩さんも気分良くなったのか顔を良いリズムで左右に振ってくれました。
突然の出来事でしたが鳩が良いモデルを努めてくださいました。

その後はヴィッセルカラーを意識しているのでしょうか?

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BE KOBEの前で観光客にチラチラ「乗ります?」と目線を送る目立ちがちなリムジン人力車。

リムジン人力車が通り過ぎた際に写真として絵になるため(今風では映える?)皆さんフットワーク軽く撮影をしておりました。

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少しずつ参加者の撮影に対するエンジンがかかってきました。
スナップ撮影感を求めて人が多い場所で撮る人や船を撮る人、空やハーバーランド側を撮る人。

それぞれが自分の感性で見つけた被写体を撮るようになり自然とバラけだしました。

そんな中、上田先生も参加者に混じり撮影される中、時折「こう撮ると良いよ」とアドバイスを出してくださいます。

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面白いことに、そのタイミングになるとバラけていた皆様が自然と集合します。

そして「へぇ!なるほど、やってみます」とまた解散。
この実践と教えの繰り返しが良いウォーミングアップになったようで皆さん笑顔になってました

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と言いつつ私は当日、大口径の標準ズームレンズ(NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S)にてイベントの様子を撮影していることから直射日光は避けて日陰から撮影しておりました(笑)

熱中症などを考えると撮影を続けられるように体調管理することも記録係の仕事のひとつです。
決して、楽していたわけではありません(笑)

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今思うと「カメラを持ってる人がいっぱい」という状況を遠くからズームレンズで撮影していた危ない人に見えていたかもですね(笑)

ただ、ありがたいことに自由時間に近い撮影タイムでは私を見つけては「JimaTube(YouTube)見てますよ」と声をかけてくださる参加者も多く嬉しかったです。

私も快晴の港町でのフォトウォークを楽しみました。

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おっ!急に皆さんが小さくなりましたよ!?
これは座学でもあったポジションとアングルの実践です。

カメラワークと表現されることもありますが、カメラの位置や撮影時の角度の調整です。
同じ場所でも各対象物の画面内に占める割合が変化して表現に違いを生み出すことが可能です。

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日常の目線(アイレベル)での撮影も良いですが・・・
それは日常を綺麗に撮るだけでもあると考えられます。

少し目線を下げて猫ちゃんの目線をイメージしてみましょう。
そうすると非日常的な視界や地面などを前ボケにして味のある写真が撮れるようになります。

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そのまま進むと上田先生の緩急は流石で、次は陸橋の上からの撮影となります。
はい、カメラ系YouTuberの配信を視聴することの多い方は見覚えがある橋です。

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私のYouTubeでも作例として登場することがある陸橋です。

「ポートレート、神戸、広角」となると検索にヒットしがちな有名な場所です。

今はポートタワーが改修工事中ですが、近くにお越しの際は少し高い位置から港町神戸を見れるため是非「なるほど、この場所か」と訪れていただけると、めっちゃ嬉しいでーす!

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この辺りになると参加者の協力体制が強固なものとなりました。

「日傘の人どっかおらん?」や「ほら!船、戻って来たで」とコンチェルトを見つける方、何か撮れるものはないかと探し回っては知らせてくれる方など様々です。

何か撮影対象を見つけては共有して、お互いの撮れ高を求める姿に私も内心「めっちゃ良いやん」とニコニコしておりました。

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陸橋での撮影後、お昼休憩を兼ねた自由な撮影タイムとなります。
午後は教室に戻ってお気に入りの1枚を選んでA3でプリントします。

さらに上田先生から講評をいただくため自信作を求めて一時、解散!

私も昼食をいただきました。

少し時間が経過し、別のセミナーの様子を撮影した後に改めて屋外チームに合流するとシロツメクサを撮影している団体を発見!

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こちらはベンチも多く、芝生もあってくつろいでいる方も多い公園のような場所でした。
スナップ撮影にはもってこいの空間なので皆さんシャッターが止まりません(笑)

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この付近は早朝ウミウと釣り人が多くいるので昼とは違う景色となることから、個人的にギャップが面白いと思う場所でもあります。

もう少し元町側へ進むと震災時の状況を風化させないように崩れたブロック塀を、そのまま保存している場所でもあり私のような地元民には思い入れのある場所でもあります。

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「神戸ってお洒落」や「綺麗」と呼ばれることが多いですが、実は今みたいに携帯電話など情報インフラが整っていない時代に「根性で復興した町」でもあります。

幼少期や学生時代を含め色々な年齢、状況、心境で訪れる場所(メリケンパーク)ですが今回はイベントの撮影班として携わり訪れたことが心に沁みるなと考えていました。

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自慢の1枚!講評開始

その後、教室に戻り各自が撮影した写真の中からプリントする自慢の1枚を選ぶ時間です。

先に紹介した写真展なども年間を通して数多く開催するメリケンギャラリーではプリントする紙や展示方法などもコダワリがあり、高品質な印刷をしてくれるため見ていて楽しい時間です。

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印刷を進める中、上田先生から参加者が撮影した各写真に対する講評が始まりました。

色やアングル、移りこむ情報量や良い点にもう少しこだわりたかった点などを聞いていると参加者の皆様が本当に撮影に対するレベルが高いことから上田先生も熱い解説が続きます。

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約2時間シッカリと座学にて撮影知識とZ 8というカメラの使い方を学びました。

その後は屋外に撮影に出かけて直後に講評を受けることができる充実した内容が濃縮された講義(本当にパーフェクトレクチャー)でした。

ここから約2週間、各自がZ 8を持ち帰りどのような写真を撮影し提出するか楽しみです。

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ちなみに機材の返却は当イベントの協力として携わっていただきました元町商店街に昔からあるカメラのカツミ堂となります。

私も幼少期よりメーカー問わず年代物のカメラなどを見ては「あのカメラ、まだ動くんかな?」とショーケースを眺めることも多いお店です。
今では珍しくもある、ふらっと立ち寄ることも多い地域に根付いたカメラ屋さんです。

担当者様も「The めっちゃ良い方」です。

私が収録で集中していると「どうぞ」と汗拭きシートを分けてくださったり「えぇ!めっちゃ助かります!」とホスピタリティに溢れておりました。

新しいカメラから年代物のカメラまで数多く揃っている店内も圧巻です。
元町商店街にお越しの際はカメラのカツミ堂に是非お立ち寄りください。

元町商店街の近くにはTVでも紹介されることの多いお肉屋さんが作るコロッケ屋さんや大丸神戸店に中華街(南京町)などもあるため休日の数時間程度の散歩コースにピッタリです。

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NIKKOR Zレンズパーフェクトレクチャー

次に翌日の25日に実施された「NIKKOR Zレンズパーフェクトレクチャー」のレポートを続けます。

この記事を書いている時点でNIKKOR Z レンズは37本が発売済みです。

約5年前にZマウントのローンチイベントで初代Z 7 が発表された時に比べてレンズが増えてくれて良かったと感動しております。
カメラには通称「マウント縛り」があります。
脱着可能なレンズがメーカーや規格によって限定されることを表します。

もちろんマウントアダプターを介することで制限を緩和することは可能です。
ただ、可能であれば機材の魅力を最大限に活かすためにもメーカー推奨の機材構成で挑みたいものです。

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レンズも37本と数多く展開されると「自分にはどのレンズが適しているのか」を見極める目が必要となります。
レンズが1本100円や1,000円前後で近くのコンビニエンスストアで販売されていれば難しく考える必要もないのですが・・・

数万円から200万円前後のレンズがラインナップされていることから失敗したくない、ミスマッチを避けるべき慎重な買い物となります。

ただ、それには自分自身が
・何を撮るか?
・どこで撮るか?
・携帯性を重視するか?
・購入予算は?
などを明確にする必要があります。

同じ風景でも超広角でカレンダーのような世界観を撮るか、望遠で圧縮効果を活かして引き寄せた印象で撮るかで必要なレンズは異なります。

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同じ人物撮影でも標準域のズームで効率重視で撮るか、単焦点の大口径でボケ味と描写力重視で撮るかなど人によって重視するポイントは異なります。

前日のZ 8の扱い方を学ぶパーフェクトレクチャーとは少し参加者の属性が異なっており「レンズの選び方を学ぶ」方と「良いレンズを体験しに来た」方に分かれておりました。

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参加者の中にはフラッグシップ機や最新のZ 8を保有している方も多かった印象です。
いわゆるガチ勢の独特の熱気があり、とても興味深く楽しい空間でした。

貸出希望の多かった人気レンズ

特にポートレート最強レンズとして評価されるNIKKOR Z 85mm f/1.2 S
超望遠ズームのS-Lineとして大人気のNIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
加えてテレコンバーター Z TELECONVERTER TC-1.4x が人気(レンタル希望が多い)でした。

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私自身、参加者の立場だと考えるとせっかくの機会、簡単に触れることが叶わないレンズを選ぶと思うため近しい選択をしていたと思います。

もちろん、テレコンバーター内臓の200万前後レンズ(NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S や NIKKOR Z 600mm f/4 TC VR S)レンタル候補にあるのであれば大人気だったと思います。

ただ、かなり高額かつ受注生産となるレンズです。
気になる方はニコンプラザ大阪(東京)にてタッチ&トライをしてみてください。

今回の参加者様に人気だった中望遠の単焦点 NIKKOR Z 85mm f/1.2 S と 超望遠ズーム NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S で私が撮影した作例を参考までに貼っておきます。

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(左:Z 8+NIKKOR Z 85mm f/1.2 S 右:Z 9+NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S)

逆に超広角となるNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S に加えて
気軽なf/2.8となるNIKKOR Z 17-28mm f/2.8 があります。

ただ超広角は、あまり選ばれておらず気になったので参加者の方に話を聞いてみました。

回答としては既にNIKKOR Z 14-30mm f/4 S や NIKKOR Z 17-28mm f/2.8 を保有している方、NIKKOR Z 24-70mm f/4 S(大三元 f/2.8 S(通称) や望遠端120mm f/4 S)が多く広角端は24mm前後で十分という意見が多かったです。

せっかくレンズを借りれるのであれば自分が普段、手の届かないレンズを選びたいという話でした。

身近になったフラッグシップ機 Z 9

また講義を後ろの位置から収録する中、良い意味で違和感に気づきました。
それはフラッグシップ機(Z 9)が以前に比べて本当に身近(一般の方でも保有者が多い)になっていること。

これはメカシャッターレスや画像処理エンジンEXPEED 7によるブラックアウトフリーの実現。

加えてセンサーシールド、縦横4軸チルトに高画素機でありながら高速連続撮影が優秀で革命的な技術を大量に詰め込んだことが大きかったのだろうと再認識しました。

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何より「過去一番売れたフラッグシップ機」として評価されているZ 9。

価格を考えてもコストパフォーマンスに優れており、本当に撒き餌フラッグシップ機と呼ぶと怒られそうですが、ニコンの販売戦略が大成功したと感じました。

肝心のセミナーの内容としては
焦点距離別や開放F値別のレンズ特性などが細かく語られておりました。

参加者のレベルも高いことから上田先生も「このレンズでは」と様々な被写体別で作例も大量に紹介してくださいました。

何より参加者より「このレンズはどう思いますか?」などの質問が出た際にサラっと「そのレンズはですね」と作例を出しておられたので「いやいや、ストックの量が半端ないな」と一人で感動しておりました。

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レンズ性能の見方

細かい話ですが、最近のレンズはショートフランジバックが実現されており当たり前のように高精細に撮影が可能です。

その中でもニコン Z マウントは内径55mm、フランジバック16mmと他社よりも物理的に有利な部分があります。

こうなるとレンズの設計上で自由度があり超望遠や超広角を小型、軽量化することも可能です。
逆にZマウントで大型のレンズは描写性能や明るさに振り切れる強さもあるため魅力的です。

何より高価なレンズは細かい描写や比較をしないと「他のレンズと、どこが違うのか」に気づくことが難しいです。

ここで実際に上田先生の作例を参考に画像(写真)を大きなモニターで拡大(等倍)表示した際の四隅の描写が鮮明であるか、もしくは流れているかをチェックします。

また同じF1.8で撮影したとしても、いわゆる「レンズの美味しい部分」のみを使った開放F値が小さいレンズを絞って撮影したF1.8とレンズ性能を最大限に活かした開放F値1.8の違いがあります。

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上田先生は良いレンズばかりで比較に悩む場合はレンズに意地悪な撮影対象として白い曲線となるカーブで描かれた飛行機でレンズ性能を評価することがあると語っていました。

レンズが苦手とする被写体や撮影環境で用いることでパープルフリンジや少し踏み込んだ評価、レンズの光学性能がどこまで追及されて開発されたレンズかを学べる内容となっています。

講義の後半では「ピント位置をどこに置くか」の話も興味深かったです。

逆光撮影時でのAFが迷う可能性があるシーンで瞬時に対応できる術などを実際の写真を用いて語ってくれました。

これは参加者が希望するレンズの傾向に併せて開放F値1.2や超望遠、テレコンバーターなどの話を取り上げてくれているなという印象でした。

ちなみに影に隠れがちですが用途にマッチすればキットレンズも十分に活躍してくれます。

もちろんNIKKOR Z 26mm f/2.8(パンケーキレンズ)やNIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRといった高倍率ズームの魅力もシッカリと説明されており本当に抜け漏れのない網羅的な内容で「パーフェクトレクチャー」だと感じました。
私も26mmは小型軽量なのでZ fcと組み合わせて写真を撮りながらの散歩に最適でした。
カメラは高性能が絶対正義ではなく見た目も含めて、お洒落で楽しく撮ることも大切ですよね。

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この記事を執筆している段階ではNIKKOR Z 70-180mm f/2.8 やNIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR、開放F値など詳細が未発表の単焦点135mmや35mmの2種類目などが待ち遠しい状況です。

今後、どういった特徴やコンセプトを掲げたレンズがNIKKOR Z レンズのラインナップに追加されるのかと想像するだけで今からワクワクします。

現在、発表されている製品を含め近々、40本に達することを考えると中期経営計画書で発表されたNIKKOR Z レンズの充実として50本を目指す話も現実的になりました。

ここまでS-Line、通常レンズを含めて良質なレンズを揃えられるとレンズ付帯率2以上を目指す姿も納得が出来ます。

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そして、レンズのパーフェクトレクチャーとして本来の目的「自分にあったレンズ選び」としてセミナー終了後には参加者の一部の方が「私はこのレンズ(予定していた)より、別のレンズが良いのだろうか」と質問される方も見受けられ、最適解が得れたこと良かったと安心しました。

主催はメリケンギャラリーを運営する株式会社メリケンギヤラリーです。
ですが協賛に株式会社ニコンイメージングジャパンが入っていることもあってNIKKOR Z レンズが複数本会場に用意されていました。

「別のレンズが良いかも?」となった際に教室の後ろにストックレンズが並んでおり、その場で最適な他のレンズへ交換される方もいらっしゃいました。

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数時間のセミナーも内容が充実していることから時間が過ぎることが、あっという間でした。
最後に上田先生の十八番である動画についても、NIKKOR Z レンズで撮る世界観の作例を拝見しました。

動画の話

動画と聞くと難しく考えてしまいますが意外とこだわった内容は必要ないようでした。

イメージとしてレンズやカメラ側は固定で三脚などに据え置きで動く被写体などを録るもの。
15秒程度の動画でもNIKKOR Z レンズは高精細な映像を描けるから十分に楽しめることがポイントです。

様々な場面で記録的な役割を含めて動画収録に興味を持てる内容でもありました。

テレビのような派手な場面展開などで不要でドキュメンタリーに近い映像表現がNIKKOR Z レンズで簡単に得られることは感動的ですね。

動画(映像)はテレビを含めて我々には幼少期より馴染み深いものであり「動くから動画だ」という先入観もありますが「できるところから始めてみる」のも面白いという印象を受けました。

確かに4Kや8Kは編集環境に求めるスペックのハードルが高いので簡単ではないです。

ただ、意外と1080p程度の映像だと編集環境も気軽な構成で取り組めるためオススメです。
ということで、2日間連続で朝9時30分からガッツリ座学で学び、屋外での撮影体験とハードでしたが参加された皆様は本当に大満足の様子でした。

本当にありがとうございましたと感謝を伝えつつ控室等で色々お話を聞いていると国内、国外問わず取材や作例撮りなど飛び回ってるようなので上田先生の場合は動き回ってる方が健康なタイプかもですね(笑)

後ほど記載しておりますが以前にNikon系YouTuber大集合でナビゲーターを努めてくださった上田先生、Nikon Fan Meeting や CP+などの大型イベントでお話の機会をいただいたコムロ先生のセミナーをレポートが出来て本当に嬉しく思います。

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以上、23年6月24日・25日に開催された上田先生の「Z 8 パーフェクトレクチャーとレンズパーフェクトレクチャー」のイベントレポートでした。

末筆ではございますが今回、イベントレポートの機会をいただきました
・株式会社メリケンギヤラリー様
・株式会社ニコンイメージングジャパン様
・カメラのカツミ堂様

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本当にありがとうございました。
とても有意義かつ学びの多い現場に記録班として参加できたことに感謝しております。

イベントレポートとなると中立的な立場でシンプルに詳細を語ることも大事です。

ですが、そういったレポートは主催者側(いわゆる公式)にて出てくると想定しております。
今回は現地に私が出向いたことを最大限に活かした「私が見たイベントの様子」としてレポートしました。

Jima's イベントレポート

会場となったmeriken gallery & cafeでは頻繁に写真展が開催されておりますし、今回のように年に数回はゲスト講師をお迎えしてのイベントも開催されるため興味がある方は是非、参加してください。

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あとがき

実は今回のイベント会場(meriken gallery & cafe)では過去に「関西ニコン系YouTuber大集合」として私もトークライブに登壇しております。

Nikon系YouTuber大集合

こちらはガッツリとカメラ、ニコンについて熱く語った内容です。
ナビゲーターを努めてくださったのは、今回も講師として大活躍となった上田先生です。
長尺の動画ですが内容が濃く情報量が豊富なのでサクっと見れるので是非ご視聴ください!

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私自身トークイベントでの登壇時に会場の規模やレイアウト、予想される機材配置や管理場所などは把握済みでした。

なので、今回のイベントレポートでは主催側や協力企業様の邪魔にならないよう最小構成で挑むことが出来ました。

ということで今回、私が2日間の撮影に用いた機材は以下の精鋭達です。

撮影機材の紹介

【カメラ】
・ニコン Z 9
・ニコン Z 8

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【レンズ】
・NIKKOR Z 24‐70mm f/2.8 S
・NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
・おまけでNIKKOR Z 28mm f/2.8 と NIKKOR Z 40mm f/2

【その他】
◆記録メディア
・ProGradeDigital (CFexpress TypeB / SDカード UHS-II)
・Nextorage (CFexpress TypeB / SDカード UHS-II / ポータブルSSD)
・SanDisk(CFexpress TypeB / SDカード UHS-II / ポータブルSSD)

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◆一脚(雲台)など
・VANGUARD VEO 2S CM-264TR
・VANGUARD ALTA PH-114V
・VEO SELECT42T
会場が省スペースであること、ロビーを含めて3つの講義室と屋外撮影を考えると重たい三脚を都度動かして撮影するより自分の肩幅(足場)と専有面積が大差のない一脚を選びました。

またミラーレス時代では最小構成で移動できるようコンパクトなトロリーバッグの出番も多いです。
関係者様が集まる控室等で大きなカメラバッグは端っこに集まることが多いですが、このサイズなら椅子の下などに頑張ったら詰め込めるので迷惑をかけることも少なく気に入っています。

もちろん望遠ズームや大型三脚に配信機材関係が増えると素直に背の高い大型トロリーバッグを利用します。
機材は全て適材適所で厳選してシンプルかつ高性能な信頼できるアイテムで揃えたい派です。
結果、ニコンを選びました(笑)

数多くのメーカー様よりサポートしていただき快適に撮影に挑むことが叶いました。
今後も様々な現場で「Jimaセレクト」アイテムとして愛用してまいります。

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イベントレポートを書いた人

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<プロフィール>
Jima(じま)/ 写真家・Nikon系YouTuber
5年間フォトスタジオにて活躍後、管理職として得た知識と経験を活かし
関西(神戸、大阪、京都)を中心に個人での撮影へ活動の場を広げる。

◆活動内容
YouTubeチャンネル「カメラ塾【JimaTube】」ではカメラや写真、
撮影知識に関する情報を「楽しく学ぶ」をコンセプトに発信中。

YouTubeに4年間、毎週2本以上の動画を投稿。
総再生回数500万回、制作動画は900本を突破。

現在の登録者数はサブチャンネルを含め約2.5万人。

目標はチャンネル登録者数10万人突破やCP+等のイベント登壇。
ニコンクリエイターズ等のWebメディアへの掲載を目指す。

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