Jima's イベントレポート『写真家・上田晃司の表現を操るレンズワーク 「NIKKORレンズで描く、あなたらしい一枚」』

Jima's イベントレポート

はじめに

こんにちは。
写真家 兼 インフルエンサーとして活動しております Jima(じま)と申します。

私(筆者)は、2025年6月28日(土)にメリケンギャラリー(神戸)で開催されました「Nikon Creators in meriken gallery & cafe 2025_Early」に、記録係として参加しました。

当記事では、当日の様子をお伝えする現地レポートをお届けします。

2025年6月28日(土)のワークショップでは、写真家・上田先生を迎えた特別講座「NIKKORレンズで描く、あなたらしい一枚」が開催されました。
本ワークショップは、ニコン Zシリーズのユーザーを含む中級者向けの内容です。
表面的な機材選びではなく「レンズによる表現技術」に特化しており、参加者は焦点距離の選択が写真に与える影響や、意図的なボケ量を活用した表現、望遠レンズ特有の圧縮効果など、高度なテクニックを学ぶことができました。

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さらに、レンズが持つ特性を深く理解することで、それを自身の作品にどう活かすかという実践的な側面に重きが置かれていました。
これにより、参加者はNIKKOR Z レンズのポテンシャルを最大限に引き出し、よりクリエイティブな写真表現へとステップアップするための貴重な知識とスキルを習得できる時間でした。

当日のワークショップの様子

午前:フォトレッスン(座学)の様子

ワークショップは午前10時からメリケンギャラリーにて始まりました。

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「本講座は皆さんに2週間レンズを実際に使っていただける貴重な機会」と語り始め、レンズの作例を携え参加者とイメージを共有しながら進める構成となっていました。
まさに「レンズが織りなす写真表現の世界」を深く掘り下げた、充実した内容でした。

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ワークショップの冒頭では、レンズの画角が写真に与える印象の違い、さらにはそれぞれのレンズが持つ独自の個性(キャラクター)を最大限に活かす方法に至るまで、多岐にわたるテーマが取り上げられました。
参加者は、単に「写真を撮る」という行為から一歩進んで「何を、どう表現するか」という視点へとステップアップするきっかけを得ていました。

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カメラやレンズの詳しい話は難しい単語なども多く、言葉だけでは伝わりにくい場面もありますが「こういった写真が撮れます」とモニターに大きく写し出される安心感があります。
講座のはじめの方では比較的、新しい大口径レンズ NIKKOR Z 35mm f/1.2 S を用いてインドで現地の方々に密着撮影したストリートスナップが紹介されました。

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※今回のワークショップでは NIKKOR Z 35mm f/1.2 S が人気でした。

特に、会場の視線が一点に集中した瞬間がありました。
それは、浅い被写界深度と広い画角という、通常は両立が難しいとされる二つの要素が、一枚の写真の中で見事に表現されている作例が示された時です。

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上田先生は、この驚くべき表現について、「広角レンズはストーリーを伝えやすい」というその特性を強調されました。
背景の情報を残しつつ、被写体に明確にピントを合わせることで、見る人にその場の空気感や物語性を強く伝えることができることから、周囲の環境を広く取り込みながらも、特定の主題を際立たせる「技法」の有効性が熱く語られました。

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NIKKOR Z レンズの特徴を紹介

次に、ワークショップの焦点はNIKKOR Z レンズの性能へと移りました。
これまでのFマウント時代からZマウント、すなわちNIKKOR Z レンズへの移行が、写真表現にもたらした大きな進化について熱く語りました。

特に強調されたのは、NIKKOR Z レンズの「逆光耐性」の劇的な向上でした。

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強い光源が画面内に入り込むような条件下でも、ゴーストやフレアが極めて抑えられ、クリアな描写を維持できるようになった点が参加者の関心を引きました。
また、「高精細な描写力」も特筆すべき進化として語られ、細部の表現力やシャープネスが向上したことで、より解像度のある写真が撮れるようになったと述べました。
これらの進化により、撮影の自由度が格段に広がり、写真家が意図する表現をより忠実に再現できるようになったと、NIKKOR Z レンズの優位性が力説されました。

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次に、具体的な作例として、NIKKOR Z レンズの卓越したゴーストやフレアの抑制力が示されました。
特に、夜景や強い光源が画面内に入るような厳しい条件下でのシーンでは、その性能が際立ちました。
「画面の端に大きな光源を配置しても、ゴーストやフレアはほとんど発生しない」と熱意を込めて語り、そのクリアな描写力に参加者たちは驚きを隠せませんでした。

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同時に、色収差が極めて良好に抑えられており、高コントラストな部分に発生しやすいパープルフリンジもほとんど見られないことが強調されました。
これにより、光源が複雑に絡み合うシーンや、厳しい逆光条件など、一般的にレンズの弱点が出やすい状況下においても、NIKKOR Z レンズがいかに優れた描写性能を発揮し、高い画質を維持できるかという優位性が明確に確認できました。
これは、あらゆる条件下で広角レンズなどを愛用する方にとって、非常に心強い特性だなと感じました。

レンズ選びについて

次は単焦点レンズとズームレンズの使い分けの基準についての解説です。

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※金色の枠 ARCREST II PROTECTION FILTER(Gold Edition)はカッコいいです。

「被写体との距離が自分で動いて調整できるなら単焦点、風景のように距離が変わらないならズームを使うのが効率的」や「ストリートフォトやポートレートには単焦点、風景撮影にはズームが向いている」と説明がありました。

さらに、単焦点レンズを使うことで「距離感をマスターできる」や「即写性を鍛えられる」と続け、足を使って自らフレームを作る大切さを語りました。

焦点距離と圧縮効果について

ズームレンズに関する解説が進んだ後、ワークショップは焦点距離ごとに異なる表現上の特性へと話が展開されました。

特に興味深かったのは、焦点距離50mmを「標準」の基準と捉え、そこから広角レンズや望遠レンズを選ぶことの意義が語られた点です。

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例えば、望遠レンズの持つ特性として、単に遠くの被写体を引き寄せるだけでなく、背景を整理し、被写体を際立たせる「圧縮効果」の高さが強調されていました。
この圧縮効果は、背景が目立ってしまう観光地など、人が多く被写体をシンプルに見せたい場所で特に威力を発揮すると解説されました。

望遠レンズを使うことで、背景にある不要な要素を効果的にぼかしたり、圧縮によって整理したりすることができ、主題となる被写体に視線を集中させやすくなるという具体的なメリットが示されました。
つまり、単に焦点距離の数字を覚えるだけでなく、それぞれのレンズが持つ「画角」と「表現」の関係性を深く理解することの重要性が語られていました。

これにより、参加者は単なる機材の選択ではなく、自分がどのような写真を撮りたいのか、その意図に応じて最適な焦点距離を選ぶという、よりクリエイティブな視点を持つことができるようになりました。

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対して、超広角でも知られるNIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S や NIKKOR Z 14-30mm f/4 S などでは広角撮影時の「広いことによる難しさ」や「パースペクティブ」についても触れられており、単なる広範囲を撮影するのではなく、被写体に近づいて遠近感で迫力を出す技法を解説していました。

その流れから、広角レンズの本当の魅力は「広く撮る」以上に「遠近感を出しながら被写体を印象的に見せること」や地面や壁を入れて遠近効果を狙うこと、収束点や放射状構図で抜け感を出すなど、具体的な撮影のアドバイスがありました。

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広角レンズを使用する際に多くの写真愛好家が直面する「歪み」の問題についても、具体的な対処法が丁寧に解説されました。
特に、広角レンズ特有の歪みや直線が湾曲して写る現象を避けるための有効な手段として、カメラに搭載されている補正機能を積極的に活用する方法が紹介されました。

最新のカメラには、レンズの光学的な歪みを自動的に補正する機能が内蔵されており、これをオンにすることで、より自然で歪みの少ない画像を生成できることが説明されました。

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さらに、歪みを最小限に抑えるための基本的なテクニックとして、「カメラを常に水平に構えること」の重要性が強調されました。
カメラが傾くと、特に広角レンズでは建物の垂直な線が傾いて写ったり、遠近感が不自然になったりといった歪みが顕著になります。

カメラ内の水準器の活用や、ファインダー内のグリッド表示を利用することの有効性を伝え、わずかな傾きが最終的な写真に大きな影響を与えることを具体例を交えて解説しました。

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各種レンズの作例と特徴紹介

単焦点レンズとズームレンズ、それぞれの焦点距離が持つ特徴の解説に続き、各レンズ種別に具体的な作例を交えながら深く掘り下げられました。

特にNIKKOR Z レンズのラインナップは現在40種類以上と増えました。
これらを体系的に理解できるよう、焦点距離別にグループ分けされて紹介されました。

具体的には、「超広角」「広角」「標準」「中望遠」「望遠」といった各グループごとに、それぞれのレンズが持つ独特の描写特性や、最適な被写体、そして効果的な撮影シーンが順番に解説されました。

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例えば、超広角レンズは壮大な風景や狭い空間での撮影に、中望遠レンズは人物のポートレートや被写体を背景から際立たせる表現に適しているといった具体的なアドバイスです。

それぞれのレンズでどのような写真表現が可能になるのか、また、どのような意図でそのレンズを選ぶべきなのかを、豊かな作例とともに視覚的に提示しました。

数多くある選択肢(レンズ)の中から自分の撮影スタイルや目的に合った一本を見つけるためのヒントを得ることができ、レンズ選びの奥深さと、それが写真表現に与える影響の大きさを考え直すキッカケになりました。

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特にマクロ撮影で活躍するMCレンズ(マイクロレンズ)では、他のレンズに比べて被写体に寄ることができる一方で、被写界深度が浅くなることへの対策として絞り値をF8からF16を利用することも推奨されていました。
さらに、Z8で新たに追加されたカメラ内のフォーカスリミッターや望遠レンズやMCレンズに搭載されているフォーカス制限の機能についても活用方法が語られました。

高品質フィルターの重要性

NIKKOR Z レンズの解説の中で、高品質レンズの魅力を最大限に活かすにはプロテクトフィルターも妥協すべきではないという話もありました。

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※私(筆者)もARCREST II PROTECTION FILTER に大満足しています。

ニコンが誇る高品質なプロテクトフィルター(ARCRESTシリーズ)の話では、優れた性能を持つ後継モデル「ARCREST II PROTECTION FILTER」を自身も愛用していることが語られました。

「良いレンズだったとしても、フィルターを妥協してはもったいない」とフィルター選びの重要性を説く上で、言葉だけではなく、実際の比較画像が示されたことは、その説得力を一層高めました。

提示された比較画像では、プロテクトフィルターを一切装着しない「フィルターなし」の状態と、高品質フィルター ARCREST II PROTECTION FILTER を装着した状態、さらに同ランクの他社製プロテクトフィルターを装着した状態で撮影された写真が並べられました。

これらの画像は、フィルターの有無や種類の違いが、写真の描写力、特に解像度やコントラスト、あるいはフレアやゴーストの発生にどのように影響するかを視覚的に明らかにするものでした。

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参加者は、細部にわたる描写の違いや、光の透過率による色の再現性の差などを目の当たりにし、高品質なプロテクトフィルターがいかに写真のクオリティを左右するかを実感したことでしょう。

写真を1枚だけで見る場合は気づきにくいのですが、3枚(フィルターなし、ARCREST、他社製フィルター)を並べると気づくことがあります。
レンズを保護する目的だけではなく、写真表現における画質維持のバランスの重要性を深く理解する貴重な機会となりました。

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※特に夜間の街灯を写したシーンの比較画像は、ARCREST II PROTECTION FILTER の卓越した品質を実感できました。

さらに、プロテクトフィルターの解説に留まらず、日中の明るい環境下で大口径レンズを使用する際に不可欠となるNDフィルターの活用術についても詳しく紹介されました。

開放F値で撮影したいにもかかわらず光量が多すぎる場合や、長時間露光で水の流れや雲の動きを幻想的に表現したい場合など、NDフィルターがもたらす表現の幅が具体的な作例を交えて解説されました。

レンズフィルターは単なるレンズ保護だけでなく、光(光量)をコントロールすることで写真表現を豊かにすることができ、フィルターの奥深い世界に触れることができました。

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※ワークショップ時点ではNDフィルターはARCRESTIIではなく、ARCRESTとなります。

高品質フィルターとして定評のあるARCRESTシリーズの中でも、特にND16などの減光フィルターは、その光量調整(減光)機能と高い画質維持能力が強調されています。

ワークショップでは、このNDフィルターを装着した際の具体的な撮影手順と、それがもたらす効果について、実践的な解説が行われました。

例えば、晴天の明るい屋外でポートレートを撮影する際、背景を大きくぼかすためにレンズの絞りを最大限に開けたい場合でも、ND16フィルターを使用することで、露出オーバーにならずに適切な明るさで撮影できることが示されました。

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また、日中の明るい時間帯に滝や川の流れを絹のような滑らかな質感で表現する長時間露光撮影においても、このフィルターが光量を効果的に抑制し、高画質を損なうことなく意図した表現を可能にすることが解説されました。

ARCRESTのNDフィルターは単に光量を減らすだけでなく、「高画質を維持しつつ、絞り開放を活かした明るい環境での撮影には必須のアイテムである」と力強く語りました。

ボケ表現を活かす方法

午前の部が盛り上がる中、午後の部(撮影実習)に向けて、具体的な「ボケを活かす4要素」が解説されました。

  • 1. F値を小さくする
  • 2. 望遠側で撮影する
  • 3. 被写体に寄る
  • 4. 背景を被写体から遠ざける

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特に(3)(4)は見落としがちな点として強く訴えられ、ボケ表現が私たちの感情に与える心理まで丁寧に解説されました。

また、高品質レンズを見極める際に役立つ丸ボケの美しさは絞り羽根の枚数に依存することも語られました。
特に絞り羽の枚数が11枚や9枚のレンズの凄さや、絞り開放からF値5.6の範囲で最も美しいボケを得る条件など細かい点まで含めて、撮影表現の方法も紹介されました。

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※午後の撮影実習前に役立つ機能が紹介されました。

NIKKOR Z レンズの魅力が語られた後、参加者は貸し出されたレンズやカメラを手に持ち、お昼休憩と午後の撮影実習に向けて移動を始めました。

午後:撮影実習の様子

お昼休憩の後、13時には港町である神戸を堪能できる突堤付近にて皆で集合しました。

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梅雨の季節にもかかわらず、この日は見事な晴天に恵まれました。
抜けるような青空が広がり、まさに撮影日和です。
和やかな雰囲気の中、各自が自由にカメラ談義に花を咲かせながら、いよいよ始まる撮影実習への期待感が高まっていきました。

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※光の向きや透過についての解説

撮影実習が始まると、通常の散策では見過ごしてしまうような何気ない場所でさえ、その場に潜む被写体の魅力を見出す術を丁寧に解説されていました。
差し込む光、壁に映る影、あるいは普段意識しない植物の小さな葉一枚に至るまで、どのように切り取れば魅力的な写真になるのか、具体的なアングルや構図、光の捉え方まで、惜しみなくその知識と技術が語られました。

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このような解説は、単に撮影スキルを向上させるだけでなく、「日常の風景を新たな視点で見つめ直す」という写真の醍醐味を改めて教えてくれるものでした。
参加者たちは、これまで見慣れた光景の中から宝探しをするような感覚で、それぞれの感性で被写体を探し始める姿が非常に印象的でした。

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※実際に撮影した写真を皆で確認

また、単に言葉で解説を聞くだけでなく、実際に撮影された作品を見ることで、その奥深さをより深く理解することができます。

例えば、同じ場所や被写体であっても、光の捉え方、構図の切り取り方、色の表現など、撮影者それぞれの視点や意図によって全く異なる写真に仕上がります。

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撮影実習では上田先生より具体的なアドバイスはもちろんのこと、他の参加者の作品から新たな発見や刺激を得ることもできます。
自分では気づかなかった視点や表現方法に触れることで、自身の写真に対する視野が広がり、技術的な理解だけでなく、表現力も飛躍的に向上することを実感した方も多かったようです。

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撮影実習が始まると、参加者たちは各々が心惹かれる景色や瞬間を、思い思いの感性でカメラに収めていました。
日頃から撮影を楽しまれている方が多いからか、「何を見つけたのかな?」と、どういった切り取り方をしているのか興味深かったです。

皆さん、それぞれの個性あふれる作品が生まれる瞬間に立ち会えたことは、非常に印象深い光景でした。

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この写真ワークショップには、特にNIKKOR Z レンズに深い関心を持つ方が多く集まっているせいか、参加者の皆さんが高性能なレンズを愛用されているのが非常に印象的でした。

そのため、参加者のカメラに装着されたレンズは、その多くがNIKKOR Z レンズの中でも特に描写力に優れたS-Lineに属するものであったり、大口径の単焦点レンズであったりと、写真へのこだわりが垣間見えました。
高性能な機材を手にすることで、より豊かな表現が可能になることを理解し、積極的に投資されている方が多いのは、参加者それぞれの写真に対する真摯な姿勢の表れだと感じました。

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※バリアングル式の液晶モニターを採用したカメラは低い位置からの撮影に便利ですね。

午前の部で解説のあった広角レンズを活用した撮影手法は、多くの参加者の関心を引いたようで、実際にその場で試す方が目立ちました。

特に、この日のように晴れ渡った開けた海の景色や、澄み切った青空を背景に、その広がりや雄大さを印象的に切り取ろうと、それぞれのカメラを構える姿が非常に印象的でした。

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広角レンズ特有のパースペクティブを活かし、手前の被写体を強調しながら奥行きを表現したり、壮大なスケール感を一枚の写真に収めようと工夫する様子は、まさに学んだことを実践に移す喜びと熱意に満ちていました。

同じ広角レンズを使っていても、被写体との距離感やアングル、光の取り込み方によって全く異なる表現が生まれることに、参加者それぞれが新たな発見と手応えを感じているようでした。

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※同じ場所から画角を自由に変えることができるズームレンズは便利です。

広角レンズでの表現に挑戦する方が多く見られた一方で、もちろん、標準領域や中望遠領域のレンズを駆使して撮影を楽しむ参加者も数多くいました。

背景を美しくぼかしながら特定の被写体を際立たせる表現や、遠くのものを引き寄せて細部を捉えることを楽しむ方も多かったです。

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皆さんが目の前の光景から何を表現したいか、どのようなストーリーを紡ぎたいかによって、最適なレンズを選び、その特性を最大限に活かした撮影に没頭している姿は、まさに写真表現の多様性と奥深さを象徴しているようでした。

それぞれのレンズが持つ魅力を引き出し、自分だけの作品を追求する熱意が伝わってくる時間でした。

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私(筆者)を含め、同じ時間・同じ場所にいながらも、参加者一人ひとりが異なるアングルや視点から、特定の建築物や構造物の存在感を際立たせた作品を撮っている様子は、非常に印象的でした。

ある人は建物の全景を捉え、その壮大さを表現しようとし、また別の人は、特定の窓枠や装飾といった細部に焦点を当て、その精緻な美しさをクローズアップしていました。

中には、建物の影や反射を利用したり、低い位置から見上げるように撮ることで、普段見慣れた建築物に新たなドラマティックな表情を与える工夫をしている方もいました。

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撮影の進行に合わせて、少し場所を移動しました。
上田先生から新たな環境(移動先)で写真を撮る際に意識すべき重要なポイントが解説されました。

日差しの向きや強さの変化、背景に映り込む要素、その場でしか得られない情報に基づいた具体的なアドバイスです。

建物の影をどのように活かすか、遠くに見えるランドマークをどう構図に取り入れるか、といった実践的な指導が行われました。

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※神戸大橋をディープトーンモノクロームで撮影すると色が大きく異なる点に驚く方も多かったです。

広角や望遠といったレンズの特性を活かした撮影に加え、多くの参加者が、一枚一枚の作品に対して非常に丁寧に向き合っていたのが印象的でした。

特に、マニュアルフォーカスレンズを用いたピント合わせには細心の注意が払われており、被写体の最も強調したい部分に正確にフォーカスを合わせるために、微調整を行ったりする姿が見られました。

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また、構図に対しても被写体が最も魅力的に見えるアングルや配置を時間をかけて探している方も多くいらっしゃいました。
三分割法や対角線構図、フレーミングなど、写真の基本的なルールを意識しつつも、そこに自分らしさを加える工夫を凝らしていました。

こうした丁寧な作業は、単に技術的な正確さを追求するだけでなく、時間をかけて一枚と向き合うことで、より深みのある写真が生まれることを実感させられる光景でした。

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このワークショップの大きな魅力の一つは、撮影中に疑問に思ったことや、気になったことを、その場で直接、上田先生に質問し、確認できることです。

撮影中に「この設定で合っているだろうか」「この光の状況でどう撮ればいいか」「もっと良い構図はないか」といった疑問が生じた際、すぐに的確なアドバイスをもらえるのは、独学では得難い貴重な機会です。

上田先生は、一人ひとりの参加者の質問に丁寧に耳を傾け、時には実際にカメラを覗き込みながら、具体的な操作方法や思考プロセスをわかりやすく解説していました。

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その場で疑問を解消できることで、理解がより深まり、すぐに実践へと繋げることができます。
このような双方向のコミュニケーションが、参加者それぞれの技術向上と写真表現の幅を広げる上で、非常に大きな役割を果たしていると感じました。

作品発表の時間

暑い中での撮影実習の終了後、小休憩を兼ねた移動後にも学びの時間は続きます。

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午前の部で座学の会場となった教室に戻り、各参加者の作品をA3プリントで印刷しました。

写真のプリント(印刷)を待つ間、参加者の作品が教室の前面にある大きなモニターに投影されました。

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※参加者よりワークショップ中に作品の掲載許可済み

講評の時間では撮影した本人が意識した点や、撮影したときに気づいたことなどを他の参加者へ発表します。
パッと見ただけでは気づくことが難しい、撮影した本人のこだわりに対して「なるほど!」や「そういったところが」という発見が数多くありました。

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今回のワークショップで特筆すべき点は、NIKKOR Z レンズが2週間、貸し出されることです。
ワークショップの限られた時間での撮影体験に留まらず、憧れのレンズを自宅に持ち帰り、じっくりと向き合い、納得のいく作品を創作できる期間が与えられたことは、参加者にとって計り知れない価値があります。

ワークショップを通じて

今回のワークショップではニコンのカメラ利用者を中心に、中級者向けの写真講座であり「レンズによる表現技術」に特化した実践的な内容でした。

各参加者は、単焦点レンズとズームレンズの使い分け、画角による印象の違い、レンズの特性を活かした表現方法など「撮る」から「表現する」へのステップアップに繋がる知識と技術を深く学ぶことができたと思います。

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※参加者よりワークショップ中に作品の掲載許可済み

今回のワークショップも記録係として皆様の活動を陰ながら見守らせていただきましたが、移動中など、参加者の皆様と様々な話題で語り合えたことが、私にとってもかけがえのない思い出となりました。

写真という共通の興味を通じて、普段は出会うことのない方々と交流できること、それぞれの写真への情熱や考えに触れることができたのは、非常に刺激的な経験でした。


私(筆者)も、当日はワークショップに同行できたこと、とても楽しかったです!

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このワークショップレポートが参加者の振り返りや次回、開催されるワークショップに参加を検討されている方の参考になれば嬉しいです。

最後までこの記事を読んでいただき、ありがとうございました。
また次回のワークショップレポートでお会いしましょう。

▼参考記事
・ARCREST II 詳細

レポートを書いた人

Jima's プロフィール

<プロフィール>
Jima(じま)/ 写真家・Nikon系YouTuber
5年間フォトスタジオにて活躍後、管理職として得た知識と経験を活かし独立。
現在は法人を立ち上げ撮影のみならず情報発信を含め幅広い領域へ活動の場を広げる。

◆活動内容
チャンネル登録者数3万人のYouTubeチャンネル「カメラ塾【JimaTube】」を運営。
カメラや写真、撮影知識に関する情報を「楽しく学ぶ」をコンセプトに発信中。

【YouTube】カメラ塾【JimaTube】